症例紹介

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フレンチ・ブルドッグの真珠腫性中耳炎

  • フレンチ・ブルドッグに多くみられる疾患の中で「真珠腫性中耳炎」というものがあります。

     

    これは耳の中の中耳を原発とした特殊な中耳炎で中耳の中に耳垢や角質、膿が貯留し、外耳に排出されずどんどん溜まってしまうことで中耳が拡大し脳にまで達してしまう恐れのある疾患です。

     

    しかも重症になるまで無症状であることも多く、軽症では食事の食べづらさがある程度です。

    重症になると、疼痛により食欲の低下、開口困難(あくびができなくなるなど)、外耳からの膿汁排出、顔面神経麻痺(瞬きができなくなる、口が垂れ下がって食事がこぼれるなど)が認められるようになります。

    さらにこの疾患を診断するためにはCT、もしくはMRI検査を実施することが必要で、いずれも麻酔をかけての検査となることから、発見が遅れてしまうことが問題となります。

     

    当院でもフレンチ・ブルドッグを診療する機会が多く、この病気の治療をおこなっております。

    これは真珠腫性中耳炎に罹患したフレブルさんの頭部のMRI画像です。

    中央左側の縦に伸びたグレーの領域が中耳なのですが、これは明らかに中耳が拡大しております。

    また脳にも炎症所見を認め、顔面神経麻痺を認めておりました。

     

    この子は手術により一旦改善を認めましたが、その後再発をしており、現在も治療中です。

     

    この真珠腫性中耳炎は生涯戦わなければいけない疾患です。

    重症でなければ、耳の内視鏡(オトスコープ)にて処置をすることにより安定化をはかることもできます。

     

    フレンチ・ブルドッグで耳の様子がおかしい、急に元気がなくなってきた、食事を食べるのが遅くなってきたといった症状のある場合には、まずは当院にご相談ください。

     

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